丸子:のどかな茶店風景。立て看板には「名物ぶつとろろ汁」とあり、丸子はとろろ汁で有名な場所。旅人は、とろろ汁を食べて精ををつけたという。右端の障子には「御茶漬け」「酒さかな」の文字、左端には「御ちゃつけ」の文字が見える。店には二人の旅人がとろろ汁と酒を味わっている様だ。茶店の女は子供を負ぶっている。店の中央には藁に串刺しされた川魚が見える。店先には梅の花が咲き、ひだりの山道を蓑と菅笠を差した棒を担ぐ農夫が歩いて行く。、背後の丸みを帯びた山ものどかな感じにさせる。大きく上に枝を伸ばした木がアクセントになり効果的。今も同じ場所にとろろ汁の名店「丁子屋」がある。

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                                         (C) Katumasa Ohbayashi