藤枝:人馬継立図。問屋場(といやば)で人足と馬が交代して荷物を積み替えている様子が描かれている。島田宿からの荷物を藤枝宿で中継ぎして岡部宿まで運ぶ。右端には高床に座っている問屋場の役人、監視役の黒の羽織の武士、記録帳を持った男が見える。左側には、荷物を運んできて手ぬぐいで汗を拭いたり、煙草を吹かしたりしている人足とこれから馬に荷物を積んで出発の準備に忙しい人足を描く。広重の視線はかなり高い位置に置かれていている。俯瞰的に描かれている。馬はかなり立派な馬の様である。左斜め下から右上にかけての緩やかな対角線上に人々、馬の様子が描かれ、変化を持たせている。荷物の立て札には版元の保永堂、馬の腹掛けには竹内(版元主人竹之内)が描かれさりげなく宣伝をしている。

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                                        (C) Katumasa Ohbayashi