濱松:(冬枯の図)街道脇の大きな杉の根元で、焚き火をして暖を採っている図。杉の左には四人の駕籠らしき男が思い思いに休んでいるようだ。冬のさなか立って上着を背中までめくり上げているのは何のためであろうか。右には、合羽、菅笠の旅人、赤ん坊をおんぶしている女を描いてバランスをとっている。もくもくと立ち昇る煙は実に大きい。遠くに見えるのは浜松城。手前には円味のカーブのラインをした街道が、面白く描かれている。画面右には地名ゆかりの松がかたまっている。左奥にも松を点在させている。広重の庶民へのサービス精神の表れか。(五十三次の観光ガイドの側面)

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