桑名:(七里渡口)宮宿から桑名へは海上七里を船で渡った。東海道五十三次の要衝で、 桑名は港町・宿場町・城下町として栄 えた。 海に囲まれた桑名城が見える。渡し口の近くのある揖斐川河口はすぐそこである。二艘の船が帆を下ろしているのは、揖斐川河口まで櫓を漕いで行くため。波を大きくうねらせて強調させて、旅の困難を印象づけている。帆の間から船頭の顔が覗く。海上には、帆船が浮かぶ。波のうねりの色の濃淡が力強い。帆と城の壁の白が目を引く。桑名の名物はなんと言っても蛤(はまぐり)。時雨蛤に焼き蛤。

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                                        (C) Katumasa Ohbayashi