藤沢:手前から江ノ島道入り口鳥居、遊行寺橋、時宗本山遊行寺を描く。観光スポットを網羅して藤沢を紹介したような図。五十三次の目的のひとつとして庶民への観光案内もあったであろう。江ノ島にはたびたび弁天が開かれ参詣人で賑わった。四人の座頭が鳥居をまさに通り過ぎようとしている。杉山検校詣で。橋を木刀を担いだ職人が渡っているが、家内安全、商売繁盛、病気平癒など現世利益で有名な大山詣でのようである。江戸から一泊二日で行かれる大山詣では人気があった。橋の袂に二人の女性を登場させて花を添える。鳥居と橋を重ねたのは並べて描く緩慢、単調さを救う。次は平塚
(C) Katumasa Ohbayashi