白須賀:なんと言っても鉢状の構図がまず目を引く。すり鉢の底の汐見坂を大名行列が通る。編み笠だけが点々と続く。荷物や旗、幟などの朱色が効果的。遠州灘の真っ直ぐな水平線が実にきれい。水平線の上には帆掛け船の帆だけを描き水平線を強調している。手前の浜には防砂林の松が描かれ、地引き網を三角形に干しているのが幾つか見られ、漁師の町で有名な、白須賀だとわかる。海の濃紺、大名列が通る坂の緑ががった青、山の稜線の茶色、空の薄ピンクの色遣いも印象的。

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                                       (C) Katumasa Ohbayashi