二川:(猿ヶ馬場)物寂しい原っぱには幼い松が点々と描かれている。右端には、「名物かしは餅」の看板の茶店が描かれ、一人の客が柏餅を買っている。草の生えた斜面をを三人の瞽女(ごぜ:盲目の女旅芸人)が登ってくる。瞽女の持つ薄幸のイメージが物寂しさを一層、倍加させる。荒涼とした原っぱが画面の大半を占め、茶店、二本の松、三人の瞽女を点景として添える。

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                                       (C) Katumasa Ohbayashi