原:背景に富士山の勇姿と、街道を駕籠かき、荷物を運ぶ人足を描く。原は富士山の眺めがもっとも良いとされる場所。広重の原の図も間近から枠からはみ出してまで富士山のすばらしさを描いている。夕立に降られ、裾を絞っている女性を描いている。口には手ぬぐいをくわえている。繻子(しゅす)の黒と傘の藍色がすっきりした印象を受ける。勝気な伝法肌の女性は英泉としては珍しい。絞られて水の様子もうまく描かれている。句は「夕たちもあしのしたなり不尽のやま」

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                     (C) Katumasa Ohbayashi