日坂:小夜の中山の茶店付近を背景に描いている。小夜の中山は夜泣き石の伝説で知られる。広重の日坂参照。英泉描く女性の特異な姿態にまず目を奪われる。傘を右手に持ち身を大きくうつむき身をよじらせている。姿態に何かしら動きが感じられる。まくれた裾模様に特に。帯の金糸、傘の黄色、日坂の黄色が効果的。襦袢と下駄の赤も利いている。添えられた句は「嫁の田は舅の門や春の雨」

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                  (C) Katumasa Ohbayashi