程土ヶ谷:バックの橋は広重が描いた新町橋。広重の保土ヶ谷の図と描く角度が違うが極似する。英泉が現場に取材したか、広重のを真似たか定かではない。後ろの山が広重のはなだらかに描かれているのに比べ、英泉のはやや険しい稜線に描かれている。これも個性か。宿の女が客の布団を片付けたあと、布団で一休みする図。左隅の布団の下の意味深なちり紙、クロスさせた左の足指、手ぬぐいを持つ手等、英泉の芸は細かい。原図は衣装、布団の模様が実に細かく描かれていて美しい。添えられた句は「旅心よい程か谷そ若葉時」新緑に旅の楽しさを歌う。

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                (C) Katumasa Ohbayashi