岡崎:(矢矧之橋)矢矧(やはぎ)橋を渡る長い大名行列の一行を描く。東海道で一番長いとされている橋である。二百八間(374メートル)。画面左下から右半ばにかけてほぼ対角線に橋を描いている。渡った橋の左には岡崎城及び岡崎の宿が描き、左の川岸には葦原が続く。行書東海道では、橋の一部分を大きく詳細に描き出している。本図では矢矧橋、大名行列全体のほぼ全体及び、岡崎城を描いているのは、五十三次の公的側面と庶民への観光ガイドの面を窺わせる。勉強不足で不確かだが、一番後ろの青い山は広重の創作された山のように感じる。岡崎は家康生誕の地である。手前の薄緑の草むらが効果的に配されている。
(C) Katumasa Ohbayashi